総合型地域スポーツクラブの設立までのプロセスの一例を紹介します。
総合型地域スポーツクラブを創設するには、それぞれの地域のスポーツ活動の状況を明確に把握することが求められます。次のような項目を事前に調査しましょう。
このクラブは住民を対象としたスポーツクラブですので、中学校区、小学校区、町内会単位などでの設立をイメージすると良いでしょう。 また、住民が日常的に無理なく参加できる範囲を考える必要があります。
クラブの範囲は、広くても狭くても双方にメリット・デメリットがあります。 初めは出来る範囲から活動をスタートし、将来の目標として範囲・規模を大きくする計画を立案することをお勧めします。
クラブを作る前から既存の団体(体育・スポーツ協会やスポーツ少年団などのスポーツ団体やスポーツ推進委員、町内会等)の理解と協力を得る働きがとても重要です。また、行政の担当者にもクラブを設立する旨の情報提供も忘れずに行いましょう。
これから創設しようとするクラブは、住民が主役となります。地域の皆さんで運営し、地域の新しい形のスポーツ活動の場の提案となります。
また、クラブの存在を住民の皆さんにお知らせする必要があり、啓発活動や広報、住民説明会などにより、出来るだけ多くの情報を提供・公開する必要があります。そして、住民の皆さんにクラブの存在意義や理念を共有し、クラブの必要性を理解して頂きましょう。
そのためには、クラブの設立準備委員会を立ち上げる必要があります。
クラブの創設のために地域の協力者(スポーツ指導者、自治会役員、施設管理者、スポーツ団体等)で委員会を構成し、必要に応じ自治体職員もオブザーバーで参画して頂きましょう。 委員会では下記のような項目について、委員で意見を出し合い設立に向けて活動していきましょう。
全ての準備が整った段階で設立総会を開催し、設立となります。設立総会では、会員となるメンバーが設立準備委員会の成果の確認や今後のクラブ組織や運営方法等を決定します。これを決定することで地域に根付いたクラブがスタートします。
これはあくまでもスタート地点に過ぎません。今後、このクラブが地域社会で認知され、安定的な運営を継続するためには、会員の募集やスポーツ指導者及びスタッフの募集、認知度向上のための広報活動が引き続き重要となってきます。
また、クラブの将来像を常に考えながら運営を行い、クラブハウスや法人格の取得など計画的な運営を行っていただくことをお勧めします。
そのためにも、クラブの中期・長期でのマスタープラン(計画)を策定し、計画に沿った運営を行っていきましょう。
このクラブは、住民の皆さんの健康増進と体力向上を目的としている他に、地域コミュニティーの創造にも寄与することが期待されています。さらに、将来的には住民同士がコミュニケーションを図れるような場としても考えられます。
そのため、いつでも会員からの声を聴ける体制を構築し、住民の皆さんが満足いくクラブ運営を行っていけるよう取り組んでいきましょう